2012年6月10日日曜日

日本のスポーツ界の現状から学ぶこと

昨日の朝、NHKの深読みで、国がオリンピックの選手強化に掛ける費用の話が特集されていました。

強いメジャー競技はまだしも、強くても、マイナー競技になると、金がなく、続けられないという事例も多く見られるとのことです。競技によっては、道具や練習場所等で年間数百万円掛かり、バイトに明け暮れ、練習に支障をきたすこともあるようです。

又、諸外国のように、選手を育てるのでなく、育った選手を更に強化することを第一にし、あらゆる競技で引退後の生活が保障されておらず、なかなか競技人口が増えないという問題もあると指摘されていました。企業スポーツも同様の傾向とのことです。

私が長年勤務した電機メーカーの企業スポーツと言えば、真っ先に思い浮かぶのは女子バレーですが、廃部されて久しく、今残っているのは野球部だけです。Jリーグへの参入についても、Jリーグが成功するかどうかわからないという判断で、Jリーグ参入が1年遅くなり、様子見した経緯があります。

私が某工場の主任の頃、この工場のシンボルスポーツ(全社でなく、あくまでも工場レベル)である女子卓球部に総合職女子がいましたが、15時に帰り、19時迄練習、仕事があれば、会社に戻るという生活をしていましたし、給料は普通と同じ、時間的な優遇以外は何もありませんでした。勿論、遠征は社費でしたが。この対応、スポーツに対する思いは日本のスポーツ界の縮図であるように思えます。現在はシンボルスポーツそのものもなくなったと聞いています。

そして、日本全体が開拓者精神を失っているように思えてなりません。日本代表のサッカー選手の所属の殆どは海外であるのは空洞化しているということでしょう。海外の強豪チームでプレーしたいということに加えて、Jリーグのチームの処遇の問題もあると思います。

これは音楽でも同じ、音大に進学し、音楽を専門的に勉強しても、音楽で食べていけるのはごくごく一握りですし、就職にも難儀を擁しています。底辺の拡大、音楽人口の拡大ということをしていくことが必要であり、それがひいては、幅広い視野に立脚して、日本の国力向上につながると考えますが、永年の課題になっています。スポーツと同様です。

それでいながら、経済面では、相対的に世界の中での国力位置づけが下落しているのですから、日本はどうなってしまうのか、という思いを強くしています。

そして、こうした状況を念頭に置き、だからこそ、私の音楽の道への転身は意義があると考えるべきでしょう。一層、邁進していきます。


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