2013年2月25日月曜日

サバリッシュ氏死去

ドイツの大指揮者ウォルフガング・サバリッシュ氏が亡くなられました。89歳でした。

私に強い印象を与えたのは何と言っても、数知れずN響を指揮された演奏会でした。1964年に初来日され、約40年N響と関わりを持たれ、桂冠指揮者になられました。

理性的な演奏の印象があり、私の演歌調の演奏はそぐわないように思えますが、情におぼれることなく、理論と感性のバランスを重視され、サバリッシュ氏の演奏は実に勉強になりました。

バイエルン国立歌劇場の音楽監督、アメリカの5大メジャーオーケストラの一つフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督も務められましたが、前述の通り、私にとっての思い出は何と言っても、N響の演奏会です。今でも鮮明に覚えているのは、1973年のNHKホールのこけら落としでN響を指揮された「第九」です。丁度、慶応義塾高校ワグネルソサイェティーに入部してすぐであり、ただただ圧倒された記憶があります。

その後も、特にドイツ物、ベートーヴェンやブラームスの演奏にただただ感動しました。又、ピアノの名手としても知られ、N響の楽員の方々との室内楽でお名演をされました。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

2013年2月17日日曜日

基礎練習と表現力

音楽は基本技術と感性が相俟って、すばらしい表現力につながります。それは、どの世界でも同じでしょう。企業が経営数値ばかり求めると、心が伴わず、自分本位となり、発展につながりませんし、スポーツでは、気合いが先行しても、技術に頼りすぎても、上手くいかず、バランスが大切ですから。

楽器演奏においては、3音をやや低めに演奏し、5音をやや高めに演奏すると、いい感じになります。勿論、ピアノのような微妙に音程を変えられない場合はむずかしいですが。

最近思うのは、トランペットの場合、ウォームアップの時、基礎練習の時、ただチューナーを見て、理論的に追求することに加えて、自然にそうした音程になるような表現を心掛けることがいい音色にもつながるということです。これも、理論と感性のバランスでしょう。

又、和声学においても、基本となる理論を身につけた上で、表現力を醸成することが求められます。

まだまだ発展途上、頑張ります。

2013年2月3日日曜日

コバケン先生

 
今日、「新題名のない音楽会」は売出し中の指揮者山田和樹さんの特集でした。すばらしい演奏の連続でした。

ところで、番組の中で、山田さんの師匠の小林研一郎先生のビデオが流れ、山田さんに対する心温まる激励のお言葉がありました。とにかく、弟子に対する愛情の深さに尊敬の念を覚えました。

コバケン先生は私にとっては正にカリスマ、世界一の指揮者です。出会いは静岡フィルに所属していた際、マーラーの1番を振っていただき、トップを吹いていた私に対し、リハの際、過分なお褒めのお言葉をいただき、それ以来のご縁です。その後、コバケン先生が率いられる「コバケンとその仲間たちオーケストラ」への参加を要請され、そこでも、3回演奏会に出させていただきました。毎回、世界的巨匠のオーラにただただ圧倒され、演奏しながら、感動の極みになりました。

実は、私が昨年5月のアジア国際音楽コンサートというコンクールに入選した際、「入選はすごいこと。これからも精進されますように」という激励のメールをいただきました。私なんぞに対し、こうしてお気に掛けていただき、感謝感激でした。

一度、二人で酒を酌み交わせていただく機会がありました。私にとっては、雲の上の存在、憧れの的ですが、その際も、お気遣いいただき、心より尊敬の念を覚えました。音楽は人間性が大きな要素を占めているのを痛感しました。

又、福岡に移転した2012年4月には、九響定期を指揮され、終演後、お会いし、抱きしめていただいたことを強く覚えております。写真はその時のものです。

そんなコバケン先生、もうすぐ73歳になられます。王さん、先日、亡くなられた大鵬さんと同い年ですが、益々、ご活躍されますよう心より祈念申し上げます。