2013年5月29日水曜日

真に地域に密着した活動とは?

昨日の西日本新聞朝刊一面トップは九響経営難でした。大きな原因の一つとして、集客力に加えて、企業の支援が増加していないことが挙げられるということが書かれていました。

又、記事によると、九州唯一のプロのオーケストラ、地域に密着した特徴ある文化発信をしていく考えであるとのこと、その通りでしょう。たまたま、その日の夜、久々に九響のコンサートを聴きに行きました。配布されているプログラムにも、あちこちの自治体や企業に出向き、支援を要請していることが書かれていました。

ちなみに、話はそれますが、昨日は、ビゼーの「アルルの女」「交響曲第1番」、ロッシーニの「アルジェのイタリア女」序曲、ラロのスペイン交響曲、棒は福岡市民で世界的にご活躍中の飯森範親マエストロでした。南欧風のいい響きも感じられ、いいコンサートでしたし、楽員の皆様のご対応もいい感じ、楽しく帰路に着きました。

更に、今日、映画「県庁おもてなし課」を観ました。高知県庁が、目立った施設や見どころもないが、自然を大切にした特徴ある観光促進を目指し、奔走する姿を主人公の恋愛等も交えて、ほのぼのとした雰囲気で描いたものです。

これも地域密着の典型例でしょう。最後に、おもてなし課職員の若い男性が、「私たちが高知を愛する気持ち、自然を愛する気持ちがベースであり、それが多くの皆様に伝わることを願っている」という話をテレビのニュースのインタビューで、されていました。ハッピーエンドでなく、事業がまだ軌道に乗っていないところで、話は終わっていますが、だからこそ意味があるものであると思いました。簡単なことでありませんし、実際も現在進行形で推進中とのことですから。

そして、これは、音楽を愛する気持ち、楽しむ気持ちがお客様にも伝わり、会場一体となった楽しい雰囲気を創り出すことにつながるのと同じ、改めて、音楽普及活動の根幹を再認識しました。九響のような著名な団体でも苦戦している状況にあり、まだまだ先は見えませんが、一層、地域に密着した音楽普及活動に邁進していきます。

まずは、あちこちの高齢者施設を主体に開催させていただいているお客様参加型の訪問コンサートの継続拡大です。これにより、是非、基盤づくりにつなげ、通常のコンサート開催の基軸にしていきたいと思います。生涯現役で、追求していきます。

2013年5月26日日曜日

白鵬、全勝優勝!




夏場所が終わりました。横綱白鵬、全勝優勝でした。14日目の全勝同士の稀勢の里戦はテレビの前で、気合いが入りました。日本人力士の久々の優勝を期待するファンが多い中、貫録を見せつけ、決戦を制し、千秋楽も横綱日馬富士に完勝、見事な結果でした。

これで、先場所初日から30連勝、数々の記録を塗り替えることも凄いですが、それに加えて、あの存在感にただただ圧倒されます。インタビューでの「全勝同士に相応しいいい相撲だった」「稀勢の里を応援して上げてください」という相撲界全体を考えた
発言に、尊敬の念を覚えます。まだ28歳、私から見れば子供の世代、一体、どうしたら、ああなるのか、と思ってしまいます。来場所以降も応援していきます。

一方、元十両益荒海が引退しました。数年前に、彼が所属する阿武松部屋の朝稽古見学に伺い、チャンコをご馳走になった際、給仕をしてくれたのが当時、序二段だった益荒海(本名の黒沢が四股名でした)でした。彼は、身長173センチに満たず、第二次審査合格、小兵ながら、しぶとい相撲で、十両10場所務められました。気が合い、冗談を言い合える仲となり、本場所でも、ちょくちょうお会いしました。首の怪我で休場続きとなり、思うような稽古ができなくなり、引退を決意されたとのことです。やむを得ないでしょう。まだ24歳、相撲で鍛えた根性をこれからの人生に活かしていただきたいと思います。

2013年5月25日土曜日

「楽しかった。また来てね」








またまた同じタイトルですが、5月25日に、二日市にあるすまいるホーム二日市殿と西区今津にあるスター福祉村デイサービス殿において、訪問コンサートを開催させていただきました。

だいぶ暑くなりましたが、まだ5月であり、春にちなんだ名曲を中心に、参加された入居者の皆様にも歌で参加いただくコンサートでした。タイトルは、いずれの施設の入居者の方々から、終わった後、言われた言葉、これ、本当に嬉しいものなんです。演奏家冥利に尽きます。ご参加いただいた皆様、スタッフの皆様、本当にありがとうごさいました。

いつものように、音楽に合わせたストレッチを行ない、発声練習として、「パタカラ」はドレミ、ドミソといった具合に、音を動かし、それに合わせて、声を出してもらい、モーツァルトのトルコ行進曲の冒頭に合わせて、行ないました。最初にソロで弾き、「この曲、ご存知ですか?」とお聞きしたら、「由紀さおりが歌っている曲」という声が聞かれました。「なるほど」と思ってしまいました。そして、「ふるさと」をトランペットで演奏、心を込めて演奏した場合とそうでない場合の違いを体感いただき、心が大切であることを頭に置いた朗読を一緒に行ないました。メインは春にちなんだ名曲コーナー、トランペットソロとキーボード伴奏による合唱、曲は「春よ来い」「春が来た」「春の小川」「花」「早春賦」「北国の春」でした。トランペットを生で初めてお聴きになるという方も多く、合間に楽器紹介もさせていただきました。競馬のファンファーレ、ヴェルディのアイーダ凱旋行進曲、ラッパのマークで有名な胃腸薬のコマーシャルのファンファーレ等で親しみを感じていただきました。アンコールとして、皆様と一緒に、「上を向いて歩こう」を大合唱しました。坂本九さんが歌った名曲ということで、併せて「見上げてごらん夜の星を」をトランペットの演奏をさせていただきました。

演奏の合間に、「早春賦」を作曲した中田章や息子でやはり作曲家の中田喜直の話、「花」を作曲した滝廉太郎の話をしたりしましたが、音楽を身近に感じていただく意味で、手前味噌とはいえ、よかったかな?と思いました。

すまいるホーム二日市殿の皆様、演歌がお好きな方が多く、次回は戦後歌謡史第1回として、昭和20年代に流行った流行歌特集を開催させていただきます。

又、スター福祉村デイサービス殿には、ピアノがあり、次回はトランペットとピアノによるコンサートも併せて、開催させていただきます。ちょっと先ですが、11月11日にお邪魔させていただきます。出し物はお楽しみに!

そして、最後に。いずれの施設の管理者の方から異口同音に、「お年寄りの方々との接し方がすばらしいし、話がおもしろい」と言われました。確かに、相手目線でのトークに慣れてきましたし、介護職の仕事が活きているのだと思います。音楽力、コミュニケーション力について、一層のレベル向上に努めます。

2013年5月19日日曜日

トランペットフェスティバル

5月19日に、九響の本拠地末永文化センター大ホールで、九州トランペット協会主催の第11回トランペットフェスティバルが開催されました。

九州トランペット協会は今の師匠の九響の本村先生が会長を務められている団体であり、私も会員です。トランペット協会は東京、大阪、札幌にもあり、各地でトランペットのすばらしさを発信し、啓蒙活動を推進中です。

九州トランペット協会は、九州全域を対象として、プロオケ奏者、フリープロ奏者が中心となり、アマチュアも含めた数10名の組織です。適宜、一緒に演奏することもあり、親しい仲間も増えています。正直な話、総経の日本トランペット協会では、その他大勢の存在でしたが、こうしてプロの方々と一緒に演奏できるのも福岡移転の効果であるように思えます。

今日は、オーディション合格者による演奏、ゲストのシエナウィンドオーケストラの久良木文さんの演奏、久良木文さんによる公開レッスン等多彩なプログラムでした。

オーディション合格者はプロの卵、アマチュア等多士済々、実にすばらしい演奏もあり、大いに刺激になりました。2年に1度の頻度で開催されておりますが、次回、チャレンジしたいと思います。

久良木文さんの演奏はヘンデルの「組曲」、バーンスタインの「シンプルソング」、ふんメルの「トランペット協奏曲」でした。フンメルのコンチェルトは私も1楽章だけですが、演奏したことがありますがやはり、一流プロの演奏は凄い!

何が違うのか、メリハリがあり、ストーリー性を感じさせる、ということであるように思えます。部分的には、負けていないところがあっても、全体では敵わない、やはり、音楽理論を基本とした曲の分析力、スタミナ等総合力を向上させることでしょう。一層頑張ります。

又、会場は高校生等も多く、盛り上がっていました。こうした啓蒙活動は大切、MDCとしても、勉強になりました。

尚、久良木文さんの伴奏は、CD録音でお力をいただき、これから高齢者施設での訪問コンサートでもお世話になる予定の菊池啓子さん、すばらしい演奏でした。

2013年5月17日金曜日

「また来てね」「楽しかった」






 
 
先日の訪問コンサートと同じタイトルになりましたが、5月17日(金)、高齢者施設2か所で同じ経験をさせていただいたものですから。
 
今回は、両方とも、誕生日パーティーに花を添える意味で、開催させていただきました。午後2時過ぎから、西戸崎にあるなごみの家やすらぎデイサービスセンター、午後5時過ぎから、南区にあるゆふの院やよい坂でした。
 
両方とも、いつものように、音楽に合わせたパタカラ、「ふるさと」を題材とした発声練習、心を込めた演奏とそうでない演奏の違いをトランペット演奏を通じて体感いただくこと、春にちなんだ歌のトランペットソロと合唱、アンコールとして、「三百六十五歩のマーチ」「上を向いて歩こう」を合唱しました。
 
帰り際に、入居者の皆様から、「また来てね」「楽しかった」と言われ、またまた演奏家冥利に尽きる思いがしました。これ、本当に、一番嬉しいことです。そして、介護度が高い入居者の方が私のトランペット演奏に涙を流されるお姿を拝見し、音楽の力を再認識しました。
 
これだから、この訪問コンサート、やめられませんし、音楽の力を皆様と分かち合いたいと思います。

2013年5月12日日曜日

「楽しかった」「また来てね」




5月10日、12日と、高齢者施設に伺って、訪問コンサートを開催しました。10日はケア・ラポート野間、12日はコーティアス姪浜いこい館、いずれも、日程と予算の都合で私一人でしたが、一人三役(司会進行、トランペットソロ、ピアノ伴奏)で、楽しんでいただきました。

タイトルは、いずれの施設の入居者の方々から、終わった後、言われた言葉、これ、本当に嬉しいものなんです。演奏家冥利に尽きます。

いつものように、音楽に合わせたストレッチを行ない、発声練習として、「パタカラ」はドレミ、ドミソといった具合に、音を動かし、それに合わせて、声を出してもらい、モーツァルトのトルコ行進曲の冒頭に合わせて、行ないました。そして、「ふるさと」をトランペットで演奏、心を込めて演奏した場合とそうでない場合の違いを体感いただき、心が大切であることを頭に置いた朗読を一緒に行ないました。メインは春にちなんだ名曲コーナー、トランペットソロとキーボード伴奏による合唱、曲は「春よ来い」「春が来た」「春の小川」「花」「早春賦」「北国の春」でした。アンコールとして、皆様に、持参したタンバリン、カスタネット、マラカス等をお渡しし、「上を向いて歩こう」を大合唱しました。坂本九さんが歌った名曲ということで、併せて「見上げてごらん夜の星を」をトランペットの演奏をさせていただきました。

10日のケア・ラポートの入居者の皆様、「美女おばば合唱団」と自ら称されていましたが、実に声が出て、すばらしかったですし、約1時間でしたが、トークでも掛け合いとなり、楽しい時を過ごせました。皆様に楽しんでいただき、次回は7月23日に伺う予定、もっともっと楽しんでいただけるよう精進します。

12日のコーティアス姪浜いこい館の皆様、いろいろ質問され、音楽のこと、トランペットのことに関心を持っていただき、又、帰る間際に、最後に皆で歌った「上を向いて歩こう」の歌声が聞こえてきました。嬉しかったです。またの機会を楽しみにしています。

それにしても、皆様、戦争で苦労され、戦後の復興を体感されてきた方々ばかり、言葉の端々にそれが出てきます。「トランペットというと、思い出すのは、突撃ラッパ、起床ラッパ」という方も多くいらっしゃいます。こうした方々に敬意を表する気持ちを忘れてはいかないということを再認識しました。勉強になります。だから、やめられません。

2013年5月11日土曜日

小山実稚恵さんのリサイタルに伺いました。

5月10日に、福銀本店ホールで開催されたピアニスト小山実稚恵さんのリサイタルに伺いました。

小山さんは、首都圏在住時から、しばしばリサイタルやコンチェルトをお聴きしており、すばらしい演奏をされ、いつも感動しました。

今回は、情熱の赤をコンセプトとしたもの、シューマン、ブラームス、リストの名曲、ピアノソロ編曲版のベルリオーズの幻想交響曲、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」の「愛の死」、バッハのシャコンヌでした。

理論的分析に裏付けされた構築力、情感が感じられるすばらしい演奏で、ただただ圧倒され、感動の極致となりました。

そして、アンコールとして、3曲の最後に、ベートーヴェンの「エリーゼのために」で締められ、癒しを感じました。プログラム構成にストーリーがあるように思えました。

そして、終演後、少しお話させていただく機会がありました。2年ほど前に、私が東邦音大在学時にお世話になったピアノ専攻の先生と東京芸大で同期であり、そうした話に花が咲きましたが、それを覚えていて下さり、素直に嬉しかったです。

福岡では、年に2回、リサイタルをされており、これからの楽しみが増えました。

2013年5月5日日曜日

アクロス・ユースオーケストラのコンサートを聴きました。

アクロス福岡で、アクロス・ユースオーケストラのコンサートを聴きました。

前半は福岡で管弦楽のクラブを持つ5つの高校の演奏、後半は合同オーケストラの演奏と韓国の児童養護施設に作られたオーケストラの演奏でした。

前半では、特に、西陵高校と明善高校の演奏がすばらしかったです。西陵高校は、プロでも難曲のストラヴィンスキーの「火の鳥」から、明善高校は「新世界」の第4楽章でしたが、指揮をされた指導者の先生と高校生達が一体となり、心のあるすばらしい演奏でした。やはり、指導者は大事であるのを強く感じ、自分自身、身の引き締まる思いがしました。

後半では、最後に演奏したチョン・ミンの指揮による韓国の学生達のオーケストラの「未完成」の演奏にただただ感動しました。チョン・ミンは大指揮者チョン・ミョン・フンのご子息、実父を彷彿させる和声的にも旋律的にも長けたストーリーを感じる解釈に対し、勉強になりました。オーラを感じ、オケも実にいい響きでした。

チョン・ミンの棒は昨年8月に、九響のマーラーの1番で初めて接しましたが、この時も名演でした。

福岡は韓国と近いからか、アクロス福岡には、「チョン・ミョン・フンプロジェクト」というのがあり、10月には、チョン・ミョン・フンがフランス国立放送フィルを振られる演奏会がありますし、他にも、東フィルを振られる演奏会、お姉様のチョン・キョン・ファのヴァイオリンリサイタルもあります。楽しみです。