12月7日、8日の2日間に亘り、九州国立博物館、九州大学大橋キャンパスで開催された日本アートマネジメント学会での発表を終えました。写りが悪いですが、写真は論文集です。
「社会福祉と音楽普及の連動による地域に密着した社会貢献活動の展開~心躍るお客様参加型コンサートの活性化を目指して~」というタイトルでした。概要は以下の通りです。
「社会福祉と音楽普及活動の連動という新たな視点に立脚し、地域に密着した社会貢献活動の発展拡大中である。具体的には、コンサート会場に行くのが困難な方々の為の高齢者施設に伺っての日本の叙情歌、ヒット曲等の生演奏と歌を中心としたお客様参加型コンサートについて、2012年12月に開始し、2013年11月時点で53回を数え、2014年夏を目途に、累計100回に達する予定、現在、約20の施設にて、プロアマの音楽仲間との連携も含めて、継続拡大中である。しかし、こうしたコンサートはボランティア傾向が強く、お客様に真に楽しんでいただける質の高いパフォーマンスによるヒトモノカネの好循環が課題として挙げられ、飽くなき音楽力向上及び顧客ニーズ対応力強化の為のデイサービス施設運営業務遂行によるヒトとモノの充実を基軸として、社会変革型スポンサー探索、高齢者施設のサポーター化も含めた音楽普及活動事業化というカネ対策を実施中である。」
プレゼンテーション、普段の訪問コンサートのトークと異なり、原稿があり、それに基づき、考えを伝えるもの、ただ、プレゼンターが楽しむことが基本であり、それがお聴きいただく方々に伝わり、説得力につながるということを強く感じました。どうも、この気持ち、昨年5月に受けたコンクールのアジア国際コンサート本選において、体で覚えた感覚です。それ以来、「楽しむ」を基本に演奏したり、トークをしたり、といった気持ちになっています。
又、音楽に関連するプレゼンであり、差し棒の代わりに、指揮棒を使用し、笑いを誘い、雰囲気を和ませ、いい感じになったように思えます。
そして、何より、喋りは修正ができ、演奏より楽、というのも本音、その意味で、普段のテンションでできました。それに、予行演習を何度もしたことにより、発表30分ピッタリであり、安堵しました。
質問も含めて、以下の反応がありました。
1.情熱が伝わった。他の発表者は大学の先生等が多く、私のようなのは稀有であった
が、何人かの先生から、「会社では、ああした気合いが入った発表をしないと、仕事にならないのでしょうね。大学では、淡々と授業することが多いので」といったコメントもあった。
2.日立での経験がどのように活かせるのか、という質問があったが、それについては以下の通り返答。
→20年以上、資材業務に従事したが、収益に直結した部門であり、又、外注管理等も含めて、経営知識も求められ、社内外の調整も重要であり、人間力が基本である。そうした経験により、組織マネジメントができると考える。電機メーカーも文化芸術も事業化の基本は同じであり、最初から音楽家になった人にはない強みとして、一層、レベル向上に努める。
3.一流演奏家はただ演奏したいだけで、こうした社会貢献活動に無関心なのも多いのでないかという質問があったが、それについては以下の通り返答。
→確かに、プロオケの奏者等にそうしたケースは見られ、それなりのギャラを求められ、むずかしい局面はある。無論、それはそれで否定しないし、いい意味のプライドを持っていただきたい。ただ、そうでない音楽家もいるのも事実であり、だからこうして仲間を増やしてきた。こ れからも、そうした人のつながりの拡大に努める。
4.トップレベルの一流演奏家と比較した演奏面での差別化は何か、という質問があったが、それについては以下の通り返答。
→演奏のみでは負けるであろう。しかし、音楽療法の勉強、高齢者施設運営業務によるお客様とのコミュニケーション力、健康体操の知識や実践力等を活かしたパフォーマンス力、企画力にあり、一流演奏家とは異なるカラーを前面に出していきたい。
又、可能な限り、他の発表も聴講させていただきましたが、美術や演劇も含めて、言えるのは、どこの金の面で苦労しており、文化芸術に対する事業化の面での評価が不十分であるということであると強く感じました。地域性、人材、資金、顧客満足等どの世界も基本は同じであるということが言えると考えます。
最後に、この学会会員にさせていただき、勉強になるということを書かせていただきます。更に、今回の学会で、懇親会等も含めて、いろいろな方々とつながりができ、実に有意義でした。九州部会の部会長の元九大芸術工学部名誉教授の藤原先生からお誘いいただき、打上げに参加させていただき、本当に嬉しく思いました。今後とも、どうか宜しくお願い申し上げます。
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