2013年6月4日火曜日
「戦後歌謡史を振り返って~昭和20年代の名曲~」
6月4日、デイサービスセンターかすがこうえんで、利用者様の皆様にも歌や体操でご参加いただくコンサートを開催しました。今回は、初めての試みですが、タイトルの「戦後歌謡史を振り返って~昭和20年代の名曲~」をメインプログラムとしました。
まず、あちこちの訪問コンサートで行なっているキーボードの演奏をBGMとしたストレッチ、そのあと、キーボードで弾く音に合わせた「パタカラ」を行ないました。
普段から、体操や発声をされているようで、体の動き、声だしともすばらしかったです。パタカラでは、「ドミソミド」「ドミソラド」と音程を変え、テンポを変えて、むずかしいバージョンも入れましたが、ついてきていただきました。
そして、「ふるさと」を題材とした歌につながる発声練習を行ないました。まず、トランペットで、ただ譜面通り機械のように演奏し、そのあと心を込めて演奏しました(違いをよくおわかりいただき、よかったです)。そして、心を込めて演奏する為には、歌詞に描かれている情景を思い浮かべ、愛情を持って話しかけるように朗読すること、その延長線上に旋律があり、歌詞と旋律が一体となっていることを頭に置いて歌うこと、詩にストーリーがあり、メリハリをつけながら、クライマックスに向かって盛上げていくこと等が大切であるということを説明、一緒に朗読し、キーボードの伴奏で合唱しました。皆さん、大きな声で歌っていただき、会場全体が一体感に包まれ、感動しました。
更に、手足も使った発声練習として、「幸せなら手をたたこう」を「手をたたく」「肩をたたく」「足を鳴らす」「3つの動きを続けてやる」という動きを入れながら、笑顔で歌いました。
いよいよ、昭和20年代の名曲です。トランペットで曲を演奏し、トークを交えながら、キーボードの伴奏で、皆様に歌っていただきました。
戦後、人々の心に灯をともした「リンゴの唄」、同じ時期にラジオ歌謡で歌われた「みかんの花咲く丘」、爽やかな「山小舎の灯」、何とも言えない切なさが感じられる「アザミの歌」、青春の若さが感じられる「青い山脈」、悲しみを胸に秘めながら希望を歌った「長崎の鐘」、世界に誇る日本の叙情歌「夏の思い出」、元気に溢れた「高原列車は行く」の8曲でした。
又、音楽の合間に、「ラジオ歌謡」「戦後初のオリンピックと古橋広之進」「湯川秀樹ノーベル賞受賞」「昭和24年はビール1本130円」「昭和24年に¥360/US$固定相場となったこと」といった当時の世相の話を交えながら、進めさせていただきました。
それにしても、皆様、「並木路子」「川田正子」「近江俊郎」「伊藤久男」「藤山一郎」「岡本敦郎」といった歌手の名前はすぐに出てきますし、作曲した古賀政男、古関裕而、作詞したサトウハチローといったそうそうたる名前にもうなずられる方が多く、「この歌手が歌った他の名曲は?」といった話題にも発展し、そうした歌をトランペットで吹いたり、皆様と一緒に歌ったり、と大いに盛り上がりました。
更に、皆様、音楽がお好きでしたので、転調の妙が感じられる「リンゴの唄」「長崎の鐘」、ⅠとⅤで和声進行することによって、爽やかさ、純粋さを醸し出す「山小舎の灯」、借用和音を駆使した「高原列車は行く」等音楽理論的解説も交えさせていただき、ご理解いただきました。
最後に、アンコールとして、「ふるさと」をトランペットソロで演奏させていただきましたが、歌声も聞こえてきて、嬉しくなりました。
終わった後、何人かの利用者の方々から、「また来て下さいね」「楽しかった」「気取ることなく、庶民的な語り口でコンサートをしていただき、親しみを感じた」「トランペットのきれいな音色に感動した」「普段、生の音楽に接することがなく、是非、こうした活動を続けてほしい」といった声をお聞きしました。毎度のことながら、演奏家冥利に尽きます。多くの皆様に力、癒し、感動をお与えできるよう、これに慢心することなく、一層、レベル向上に努めます。
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