今日、サントリーホールで秋山和慶マエストロの棒と東京交響楽団の第九を聴かせていただきました。やはり、年の瀬に第九は欠かせません。特に、今年は東日本大震災が発生し、私自身、被災者の方々の為に全国を東奔西走し、慰問演奏を合計23回させていただき、被災者の方々と力、勇気、元気、癒しを分かち合い、ベートーヴェンが第九に込めた思いが大切であるのを実感しています。
数ある第九の生演奏の中で、これを聴かせていただいたのは、ソプラノを歌われる光岡暁恵さんの歌に心酔しているからです。朝日カルチャーセンターでドニゼッティのオペラ「ルチア」のレクチャーコンサートを聴講させていただき、その演奏にただただ圧倒され、タイトルロールを歌われた全曲を生で聴かせていただき、感動が倍増し、持ち前の図々しさ(よく言えば行動力でしょうか)を発揮し、レターをお出しし、それ以来、知合いにさせていただいた経緯があります。
その後、リサイタルを2回聴かせていただきましたが、やはりすばらしい演奏に感銘を受けました。彼女は藤原歌劇団団員であり、来年、ベルリーニのオペラ「夢遊病の女」の主役を演じられます。心待ちにしております。
今日の第九で感じたのは、楽器でも声楽でも音色が大切であるということです。私自身、トランペットを生業にしており、普段の努力、人間性、感性、技術等が相俟って初めて感動を呼ぶ音色が可能になるということを嫌というほど、感じています。彼女とやりとりさせていただき、そうした人間力を強く感じ、尊敬の念を覚えます。
技術と表現力が相乗効果を発揮し、すばらしい演奏、説得力のある演奏、感動的演奏につながりますが、その基本は音色であると思います。東邦音大のホルンの先生から、「ベルリンフィルの入団テストはモーツァルトのコンチェルトの最初のフレーズだけで、ほぼ決まる。音色が最も大切だからである」というお話を授業でお聞きし、今でも頭から離れません。今日の第九により、これからも、人間形成に努め、練習に打ち込み、演奏力向上に努める気持ちを強くしました。
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